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商品開発プロジェクト事例

2018年秋。
「年末に、うちの売れ筋商品の新しい味を出したい。“年末プレミアム”として、期間限定で販売したいんだけど、何かいい原材料やアイデアないかな?」
原材料を納品している和菓子屋さんから相談を受けたことがきっかけで、商品開発プロジェクトがスタートしました。

年末の「縁起物」、そして「かね善」の強み。そのどちらの観点からも、すぐに「黒大豆」が頭に浮かびました。かね善は国産黒大豆の国内販売量トップシェアを誇る商社であると同時に、黒大豆を素材にした和菓子「丹波の黒太郎」を看板商品として製造・販売しており、黒大豆の加工には絶対的な自信がありました。

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しかし、商品開発はスムーズではありませんでした。黒大豆そのものを入れて商品を作ると、ひび割れを起こしてしまい見た目が整わない、という問題が発生したのです。
そこで、これまでの自社の黒大豆加工の実績や取引のある加工メーカーの技術などを洗い出し、黒大豆をきな粉にして商品の生地に混ぜることを提案したのです。先方の和菓子屋さんもこのアイデアを気に入り、早速試作品を作っていただいたのですが、納得のいく「見た目」に仕上がりません。黒大豆のきな粉は皮の部分の黒い粉と、中の部分の白い粉が入り混じっているため、細かな斑点ができてしまうことが原因でした。

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再度加工メーカーに相談し、黒大豆の皮をむき、白い部分だけをきな粉に加工することで、見た目の問題はようやくクリアになったものの、皮の部分に味や栄養が多く含まれるという黒大豆の特徴から、白いきな粉では、黒大豆の味をしっかりと表現できませんでした。試行錯誤を重ねた結果、きな粉とは別に黒大豆の煮汁を生地に混ぜることを提案。
そうしてようやく、「見た目の美しさ」と「黒大豆の特徴を生かした味」、そのどちらも兼ね備えた新商品が完成しました。

初めて店頭に並んだ2018年の年末、新商品の売れ行きは上々。2019年には前年よりも期間を延ばして販売するという、ヒット商品となったのです。

今回のプロジェクトでは、加工メーカーの臨機応変な対応力に救われたことはもちろん、今まで築いてきた協力会社との信頼関係、そして実績や技術をしっかりと理解していたからこそ、できた提案でした。多くの実績と信頼、そして情報を扱うかね善だからこそ、お客様の期待に応えることができたのだと思います。

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